作品紹介・あらすじ
昨年、夫の孝之が事故死した。まるで二年前に他界した義母佳子の魂の緒に搦め捕られたように。血縁のない母を「佳子さん」と呼び、他人行儀な態度を崩さなかった夫。その遺品を整理するうち、私は小さな桐箱の中に乳児の骨を見つける。夫の死は本当に事故だったのか、その骨は誰の子のものなのか。猜疑心に囚われた私は…(『夫の骨』)。家族の“軋み”を鋭く捉えた九編。
感想・レビュー (2件)
なかなか面白かった。全編1話あたり短い物語だが、どの話も全く予想外の位置に着地する驚愕ミステリ短編集。頁を開いたとたん即不穏な空気全開(笑)。ほぼイヤミスかと思いきや…スッキリした結末の話も混じっており、鮮やかなどんでん返しが9回も楽しめてお得感満載。
短編だがどれも凝ったストーリー。連城のような意外性、文章のうまさ、簡潔性。
