でぃすぺる

でぃすぺる

今村昌弘
文藝春秋 (2023年9月21日発売)
ISBN:9784163917498
本棚登録:79

作品紹介・あらすじ

『屍人荘の殺人』の著者が仕掛ける ジュブナイル×オカルト×本格ミステリ 小学校最後の夏休みが終わった。小学校卒業まであと半年。 ユースケは、自分のオカルト趣味を壁新聞作りに注ぎ込むため、“掲示係”に立候補する。この地味で面倒だと思われている掲示係の人気は低い。これで思う存分怖い話を壁新聞に書ける!……はずだったが、なぜか学級委員長をやると思われたサツキも立候補する。 優等生のサツキが掲示係を選...

感想・レビュー (2件)

心の底から読み終えるのが惜しいと思った小説は久しぶり。主人公等と一緒に謎解きに挑めた感覚が少年探偵団の一員になれた気がして無性に楽しかった。何より卓越なプロットや伏線回収には舌を巻くばかり。オカルト要素はあるがしっかりとミステリーの面白さもあり大満足!

マリ姉の真相を突き止めようとする「ユースケ」「サツキ」「ミナ」 途中で出てきた魔女や町長、病院の若先生、図書委員など、一癖も二癖もあるような登場人物 突如何者かによって殺害されたマリ姉、、、 その後、マリ姉によって残された六つの都市伝説、、、 1つ1つの都市伝説を解き明かして行く中で、マリ姉の死の真相に迫っていき、少しずつ見えてくる「なずての会」という一大組織、、、 実はなずての会は怪奇なモノ(闇のモノ)と戦う組織で、町長も悪者かと思いきや子供たちと街を守るとてつもなく良い人で、最期の最期まで子供たちを守ろうとしてくれていた。 魔女もなずての会を封じ込めようといろいろと動いていて、最後には闇のモノを倒すことができ、マリ姉の真相も解明されて、なかなかにどんでん返しもあり楽しめた作品だった。 『屍人荘の殺人』以降、今村さんの作品はどれも楽しく読ませてもらっていて、今回も違うテイストで楽しめました!!

ネタバレを読む