希望のゆくえ

希望のゆくえ

寺地はるな
新潮社 (2024年2月28日発売)
ISBN:9784101049519
本棚登録:22

作品紹介・あらすじ

誰からも愛された弟には、誰も知らない秘密があった。突然姿を消した弟、希望【のぞむ】。行方を追う兄の誠実【まさみ】は、関係者の語る姿を通し弟の持つ複数の顔を知る。本当の希望【のぞむ】はどこにいるのか。記憶を辿るうち、誠実もまた目をそらしてきた感情と向き合うこととなるーー。痛みを抱えたまま大人になった兄弟が、それぞれの「希望【きぼう】」を探す優しいエールに満ちた物語。文庫化にあたり、書下ろし短篇を収録...

感想・レビュー (2件)

登場人物の誰もが人間の嫌な部分をクローズアップされているようで、生々しさに嫌な気持ちになった。唯一良かったのは、誠実が弟を捜しながら結局自分を見つめ直して進んでいくことができたこと。

「悪い人もいいことをするときはあるし、良い人の頭の中にもずるい考えはあるし、強い人も傷つくし、弱い人がその弱さを盾に他人を攻撃することもある」 色んな人の見方があってそれにとらわれる必要ないなって思う本。 寺地さんの他の本も読んでみたい。