すだれ
2025年1月9日
女性探偵・みどりが主人公のシリーズ第二弾。 相変わらず安定感があって面白い。 前作では、みどりの学生時代から数年おきに話が進み、いつの間にやら結婚してこどもができていたことに驚き(積極的に結婚するタイプには到底思えなかった)、この二作目ではその空白の数年間が語られるのだろうと勝手に期待していたのだが、普通に前作からの続きだった。とは言え、期待以上に粒揃いだったので満足。 「縞馬のコード」、「太陽は引き裂かれて」は、この作者らしい抑制のきいた文章。これ以上書くと、説教臭くなったり、作者の主義主張が鼻についたりするな、というラインを見極めて、そのラインの二歩手前で引き下がる感じが良い。 子供を持っている身としては、「探偵の子」が一番刺さった。最後まで読むと、「探偵の子」というタイトルに思わず嘆息する。

彼女が探偵でなければ
逸木 裕
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