
レビュー (2件)
道尾秀介「鬼の跫音」再読了。 そう、再読了だった。家の本棚に置いてあって、あれ、もしかしてこれまだ読んでないかもと手に取りパラパラとページをめくって確認し、やはりいまひとつ読んだ覚えがなかったので読み始めたところ「ああ、これ知ってる。読んだわ」となったが読みだしたら止まらないのが小説とかっぱえびせん。短編集な事もあってそのままサクッと読み終えました。 「鈴虫」「ケモノ」「よいぎつね」「箱詰めの文字」「冬の鬼」「悪意の顔」の六篇。なので「鬼の跫音(あしおと)」という話は出てこない。「冬の鬼」の冒頭に「遠くから鬼の跫音が聞こえる」という一文があるだけ。でも、六篇ともに確かに鬼の跫音を感じる。 そしてどれもこれも後味が悪い。 口の中にザリっとした感触が残る感じ。 こう書くと面白くなさそうに思われるかもしれないが、ちゃんと面白い。と言っていいのかな。なんだろ、読むのをやめられない感じ。個人的には「ケモノ」と「箱詰めの文字」が好きかな。
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