作品紹介・あらすじ
ねじれた愛、消せない過ち、哀しい嘘、暗い疑惑ーー。心の鬼に捕らわれた6人の「S」が迎える予想外の結末とは。一篇ごとに繰り返される奇想と驚愕。人の心の哀しさと愛おしさを描き出す、著者の真骨頂!
感想・レビュー (2件)
道尾秀介「鬼の跫音」再読了。 そう、再読了だった。家の本棚に置いてあって、あれ、もしかしてこれまだ読んでないかもと手に取りパラパラとページをめくって確認し、やはりいまひとつ読んだ覚えがなかったので読み始めたところ「ああ、これ知ってる。読んだわ」となったが読みだしたら止まらないのが小説とかっぱえびせん。短編集な事もあってそのままサクッと読み終えました。 「鈴虫」「ケモノ」「よいぎつね」「箱詰めの文字」「冬の鬼」「悪意の顔」の六篇。なので「鬼の跫音(あしおと)」という話は出てこない。「冬の鬼」の冒頭に「遠くから鬼の跫音が聞こえる」という一文があるだけ。でも、六篇ともに確かに鬼の跫音を感じる。 そしてどれもこれも後味が悪い。 口の中にザリっとした感触が残る感じ。 こう書くと面白くなさそうに思われるかもしれないが、ちゃんと面白い。と言っていいのかな。なんだろ、読むのをやめられない感じ。個人的には「ケモノ」と「箱詰めの文字」が好きかな。
鬼を様々な角度やシチュエーションで描く短編物。全体的に練り込み過ぎずワントーンで完結している印象の本でした。

