雲を紡ぐ

雲を紡ぐ

伊吹有喜
文藝春秋 (2022年9月1日発売)
ISBN:9784167919320
本棚登録:63

作品紹介・あらすじ

壊れかけた家族は、もう一度、一つになれるのか? 第8回高校生直木賞(2021)受賞作! 羊毛を手仕事で染め、紡ぎ、織りあげられた「時を越える布・ホームスパン」をめぐる親子三代の「心の糸」の物語。 いじめが原因で学校に行けなくなった高校2年生・美緒の唯一の心のよりどころは、祖父母がくれた赤いホームスパンのショール。 ところが、このショールをめぐって母と口論になり、美緒は岩手県盛岡市の祖父の元へ行っ...

感想・レビュー (3件)

FFさん大絶賛本だが、百聞は一読にしかず。 頁が進むにつれ、身も心も丸ごと持っていかれる感覚は久々! 岩手山を臨む澄んだ情景、雲の如き羊毛、絵本、鉱石等、物語を構成する素材一つひとつも美しい。 家族間の切れた糸が再び拠り合わさっていく様にも強い感動を覚えた。 まさにホイップクリームのようなふわっふわなショールに体ごと包まれたような温かさと、爽やかな感動が相まった読了感で満たされている。

すごーーーく良かった!! 親は子どもを18歳までは支えるけど、それ以降は頼られたら支えてあげ、それ以外は見守るってのが響いた。 言わないと家族でも間違って捉えられ、溝が深まる。 無口だけど、考えてないわけではない。 いろんなことがズシンと響き、感動し、すごく良かったです!!