うしお
2025年8月23日
春夏秋冬、学生時代を思い出して、こんなことがあったな、あんなことがあったなと思いを巡らせるのもいい。若いうちの苦労は買ってでもせよと大人になってから下の世代に言うのは無責任かもしれないが、どうしてもそう言いたくなってしまう。なぜならばこの「砂漠」を読んだ私はいま「戻りたいな」と(校長の言葉に反して)思ってしまったからだ。 北村が随所で割愛した思い出も含めて、いまの自分の糧となっている出来事であり、そこにある積み重ねが甘い言葉で私を学生時代のオアシスに呼び戻そうとする。だめだ。前を向いて進まなくてはならない。 「人間とは、自分の関係ない不幸な出来事に、くよくよすることですよ」西嶋 「抗生物質をばんばんあげちゃえばいいんですよ」と言い切る彼があまりにも清々しかったのだ。 「俺、好きだよ、こういうの。馬鹿馬鹿しくて元気が出るよ」鳥井 「人間にとっての最大の贅沢とは、人間関係における贅沢のことである」校長 長谷川さんを職場の同姓の方の顔で脳内再生していたらまさかのホストにハマって主人公たちを混乱に巻きこむ立ち回りをしていたので慌てて消した 西嶋はサンボマスター山口さん
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砂漠
伊坂幸太郎
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