作品紹介・あらすじ
この一冊で世界が変わる、かもしれない。
実業之日本社創業120周年記念!
小社文庫限定の書き下ろしあとがき収録。
仙台市の大学に進学した春、なにごとにもさめた青年の北村は四人の学生と知り合った。
少し軽薄な鳥井、不思議な力が使える南、とびきり美人の東堂、極端に熱くまっすぐな西嶋。
麻雀に勤(いそ)しみ合コンに励み、犯罪者だって追いかける。
一瞬で過ぎる日常は、光と痛みと、小さな奇跡で出来ていた...
感想・レビュー (4件)
春夏秋冬、学生時代を思い出して、こんなことがあったな、あんなことがあったなと思いを巡らせるのもいい。若いうちの苦労は買ってでもせよと大人になってから下の世代に言うのは無責任かもしれないが、どうしてもそう言いたくなってしまう。なぜならばこの「砂漠」を読んだ私はいま「戻りたいな」と(校長の言葉に反して)思ってしまったからだ。 北村が随所で割愛した思い出も含めて、いまの自分の糧となっている出来事であり、そこにある積み重ねが甘い言葉で私を学生時代のオアシスに呼び戻そうとする。だめだ。前を向いて進まなくてはならない。 「人間とは、自分の関係ない不幸な出来事に、くよくよすることですよ」西嶋 「抗生物質をばんばんあげちゃえばいいんですよ」と言い切る彼があまりにも清々しかったのだ。 「俺、好きだよ、こういうの。馬鹿馬鹿しくて元気が出るよ」鳥井 「人間にとっての最大の贅沢とは、人間関係における贅沢のことである」校長 長谷川さんを職場の同姓の方の顔で脳内再生していたらまさかのホストにハマって主人公たちを混乱に巻きこむ立ち回りをしていたので慌てて消した 西嶋はサンボマスター山口さん
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大人が新興宗教にのめり込む理由 砂漠での生き方に正解はない 学生の時は6歳で小学校、その後は受験など生き方が決まっている だが、社会に出ると何も指標がない 宗教の「こうすれば幸せになれる」という一つの道しるべは楽な気分になれる p322
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