すだれ

2025年2月16日

重いテーマの小説。 前半は、自分が新夏ならどうするのだろうと思いながら読んだ。 しかしながら、小説としての価値は、啓久視点の後半「恋とか愛とかやさしさより」の方が高い。 ネット社会を背景にしたルッキズムの問題を、ここまで踏み込んで描いた小説は、これまでなかったのではないか。 啓久の物語は、男性作家が描いたら全く別物になっただろう。だからこそ、この小説は稀有である。

恋とか愛とかやさしさなら

恋とか愛とかやさしさなら

一穂 ミチ

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