こまどりたちが歌うなら

こまどりたちが歌うなら

寺地はるな
集英社 (2024年3月26日発売)
ISBN:9784087718645
本棚登録:86

作品紹介・あらすじ

前職の人間関係や職場環境に疲れ果て退職した茉子は、親戚の伸吾が社長を務める小さな製菓会社「吉成製菓」に転職する。 父の跡を継いで社長に就任した頼りない伸吾、誰よりも業務を知っているのに訳あってパートとして働く亀田さん。やたらと声が大きく態度も大きい江島さん、その部下でいつも怒られてばかりの正置さん、畑違いの有名企業から転職してきた千葉さん……。 それぞれの人生を歩んできた面々と働き始めた茉子は、サ...

感想・レビュー (3件)

同僚の千葉さんに「相手の物語を推測して答えを期待するな」って話されてハッと気づく場面がよかった。自分の考えを相手に受容してもらうのって難しい。

親戚の経営すろこまどり庵という和菓子屋で働きはじめた茉子

地域密着の和菓子屋が舞台の長編小説。 主人公の茉子のまっとうで普通なところがとにかく良かった。 同級生の満智花の謎行動にいらいらし、旧式の会社の体質に安易に納得せず、それでも仕事を真面目にやり、溜まったストレスはお菓子を食べて和らげる。 欠点もある主人公だが、どこかからっとした気性でもあり、そのせいか、物語全体の雰囲気も暗くはない。