普通の子

普通の子

朝比奈あすか
KADOKAWA (2024年12月18日発売)
ISBN:9784041138373
本棚登録:31

作品紹介・あらすじ

成績は平均的。口答えもそれほどしない。 ごくごく普通のわが子が、教室のベランダから飛び降りた。 佐久間美保は小学5年生の息子・晴翔(はると)と、同じ会社で働く夫・和弥と、忙しないながらも普段通りの毎日を過ごしていた。そんなある日、晴翔が小学校のベランダから転落して骨折してしまう。転落した理由を尋ねるも、息子はかたくなに口を閉ざしたまま。ひょっとすると、わが子はいじめを受けていたのではないかーー。...

感想・レビュー (4件)

読み終わったあと、自分も気付かないうちに誰かを傷つけているかもしれないなと思いました。 また、被害者側から見た加害者として主人公の母親を見ると、母親の心理が参考になりました。 最後、手紙を読んだ主人公がどう感じたのか気になりました。

ネタバレを読む

読んでいて辛くなる小説。 いじめ、という言葉が持つ「深刻じゃない感じ」について、改めて考えさせられる。 自分はいじめに加担していたのに、リーダーの子に逆らえなかっただけ、私は被害者、というのは通らないよな、と思う。

私も息子がいるので、将来の悩みが見えるようで読んでいて辛かったです。仕事と育児に翻弄されているところも共感できすぎて…。 被害者になるのももちろん辛いのですが、自分の子が加害者かも知れないと思った時にどう接していけばいいのか、考えさせられました。 最後、なんとなく子供も回復してきてハッピーエンドかな?と思いきや最後の母親の同級生からの手紙で……切れ味の鋭い作品でした。

小学5年生の息子が学校の2階教室から飛び降りて骨折した。なぜ?親はいじめられていたのかと思っていたが、実は違っていた。