作品紹介・あらすじ
父の再婚相手の子で、荒野の初恋の人・悠也は、複雑な思いを抱えたまま、アメリカへと旅立った。ちょっとだけおとなになった荒野は、急激に変わってゆくクラスメートや、父の周りで垣間見た「大人」の世界に驚愕する。だが、荒野にも思わぬ“恋”の気配が突然訪れるー。恋に少しだけ臆病な少女の物語『荒野』全三巻の第二巻。
感想・レビュー (1件)
桜庭一樹「荒野 14歳 勝ち猫、負け猫」読了。 13歳になった荒野が朝、目が覚めるところから始まる。荒野が好きになった神奈月悠也は遠くアメリカに留学してしまう。それでも生活は続いて行く。父と義母との暮らし、親友の2人との色んな話、そして荒野を好きな男の子も現れ... うん。やはりこのシリーズ恋愛物だからと食わず嫌いせずに読んでよかった。さすが桜庭一樹。恋愛成分は入ってはいるものの、荒野という少女の人生の一部だなと。あとあらすじはしっかり読むもんだ。ちゃんとビルドゥングスロマンと書いてるじゃないか。 そりゃ12歳から16歳にかけての少女の物語だもの。恋愛要素も絡むさ。でもそれはメインではなかった。荒野という少女が子供から大人になるこの年齢を通して何を感じ、何を思い、そして理解して行くのか。1部の12歳はまだ大人になりたくない子供だったけど、本作では13歳から14歳へ。少しずつ考え方も変わって行く。ちょうど子供と大人の真ん中。いやすこしまだ子供よりか。 さて、最後、16歳。 どうなるのか楽しみだ。
