作品紹介・あらすじ
感想・レビュー (7件)
素晴らしい物語。親を選べない悲惨な環境で育った子供。親を恨み殺人を犯す。同じ境遇の同級生が蛍の舞う山奥で再会し、人生が変わる。生まれて来る子供には罪はないが、親の罪を背負って苦しみ生きていく人達。そういう境遇の人を助ける隆之、苦しみながら素直に育つ正道を素晴らしく思う。いろんなことを考えさせられる作品。
暗い家庭環境や犯罪が折り込まれ、かなり重めの話だけど、 ずっと救いとなるような優しい人がいることが、温かみとして残った。 貧困が問題になっていたり、DVで苦しむ子供が多いようだけど どうか幸せを見つけてほしいと言う気持ちになった。
6/1読み終わり。面白かった!あまり合わない作家さんだと思っていたので期待してなかったんだけど。話の構成がいい。もうすぐ産まれるってときに夫が家を出ていこうとし、殴って殺して井戸に隠す(殺してたことが、第二章で判明したので、また衝撃でとてもよかった!)んで、死のうとして蛍を山の中に見に行ったら、同級生の男(桐生)と会う。出産後、母は死んでしまうが、桐生が子供(正道)を育ててくれる。さらに、正道の面倒を見るために一緒に住ませていた従業員の女も、同じように妊娠中に夫が出ていき、桐生、正道、女、子供で家族のように過ごす。最後は、桐生が死に、正道が蛍を見に行くという話。
素晴らしい物語でした。最後に明るい希望がありよかった
きれいごとではない、人生のしんどさを描かせたら町田そのこは本当に上手い。 中学生時代、ある秘密を共有することになった幸恵と隆之を起点に、次々に主人公を交代させながら、三十余年に亘って物語は展開する。 明るい物語ではなかったけれど、不思議と暗い小説という印象はない。 最後のシーンは特に良い。
それぞれの不幸のかたちがある。生殺に人生を狂わされる登場人物たちが、世間の目とは違った形でそれぞれに苦しみや恩情を感じている。正道がいろんな形の生殺に触れ、精神的に精錬されていくすがたが物語の主軸。悲しさややりきれなさが付き纏う構成であったが、最後には自分の生について希望が灯るような終わりであった。

