マーカスモンゴメリー
2023年10月8日
A 著者は精神科医として自身の経験と医学的見地から論述しています。著者曰く子供の不登校・引きこもりの原因を大別すると①発達障害によるもの、②精神障害によるもの、③親子関係が要因となるもの、に分類され、本書は③親子関係・・に特化した著書です。 1つ目のケースは中学不登校息子と潜在的に息子に頼っている母親のストーリーです。母親が自身の過去を振り返り自立していきます。 2つ目のケースは父親が何でも生き方を決めてきた32歳男性が突然勤め先の金融機関を辞め引きこもったストーリーです。父親が自身の過去を振り返り、息子へのスタンスを悔い、穏やかになります。 3つ目のケースは拒食症の娘とうつ病の母親が全てを乗り越えていくストーリーです。母親が自身の過去を娘に投影していることに気づきます。 4つ目のケースは親に虐待されてきた母親が娘を虐待してしまう「虐待の連鎖」を断ち切っていくストーリーです。母親が自身を肯定していきます。 5つ目のケースは発達障害の母親に育てられたことで社会的存在感が感じられず苦しみながら生きている40代女性のストーリーです。 親子関係により不登校・引きこもりが発生する因果関係が良く判り、特にその要因のほとんどは親にあることが理解できます。 子育てする親にとって必読の良書だと思います。
ネタバレを読む
子は親を救うために「心の病」になる
高橋 和巳
0