作品紹介・あらすじ
親の生き方が、子を苦しめているーー精神科医が解き明かす「親と子」の真実。子は親が好きだからこそ「心の病」になり、親を救おうとしている。精神科医である著者が説く、親子という「生きづらさ」の原点とその解決。著者は「引きこもり」や「拒食症」で悩む多くの子どもたちに向き合い、心の声に耳を傾けてきた。どの子も親が大好きで、「自分が役に立っているだろうか」「必要とされているだろうか」と考えている。しかし思春期...
感想・レビュー (1件)
A 著者は精神科医として自身の経験と医学的見地から論述しています。著者曰く子供の不登校・引きこもりの原因を大別すると①発達障害によるもの、②精神障害によるもの、③親子関係が要因となるもの、に分類され、本書は③親子関係・・に特化した著書です。 1つ目のケースは中学不登校息子と潜在的に息子に頼っている母親のストーリーです。母親が自身の過去を振り返り自立していきます。 2つ目のケースは父親が何でも生き方を決めてきた32歳男性が突然勤め先の金融機関を辞め引きこもったストーリーです。父親が自身の過去を振り返り、息子へのスタンスを悔い、穏やかになります。 3つ目のケースは拒食症の娘とうつ病の母親が全てを乗り越えていくストーリーです。母親が自身の過去を娘に投影していることに気づきます。 4つ目のケースは親に虐待されてきた母親が娘を虐待してしまう「虐待の連鎖」を断ち切っていくストーリーです。母親が自身を肯定していきます。 5つ目のケースは発達障害の母親に育てられたことで社会的存在感が感じられず苦しみながら生きている40代女性のストーリーです。 親子関係により不登校・引きこもりが発生する因果関係が良く判り、特にその要因のほとんどは親にあることが理解できます。 子育てする親にとって必読の良書だと思います。
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