竹取物語

竹取物語

森見 登美彦
河出書房新社 (2025年3月6日発売)
ISBN:9784309421711
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作品紹介・あらすじ

かぐや姫×森見登美彦! 1000年以上も読み継がれる「物語の原型」を 竹林をこよなく愛す当代の人気作家が現代語訳! 翁がある日、光る竹の中に見つけた可愛らしい小さな人。やがて絶世の美女に成長したかぐや姫は、言い寄る求婚者たちに無理難題を課す。恋に破れ去る男たち、そして、「その日」は近づくーー千年以上も前に書かれ、読み継がれてきた異世界譚を、竹林に並々ならぬ思いを寄せる作家・森見登美彦が現代語訳した...

感想・レビュー (1件)

森見登美彦訳「竹取物語」読了。 誰もが知っている「竹取物語」を大好きな作家である森見登美彦が現代訳したもの。 有名すぎる話なのでほぼ内容は知ってると思ってたのだが、物語の最後で驚いた。 月に帰るときに、かぐや姫がお爺さんとお婆さんに不死の妙薬を渡すのだけど、貰った不死の薬を誰も飲まないのよ。爺と婆はまだしも、帝さえも飲まない。飲まないどころかかぐや姫に会えないのであれば不死になっても意味がないと燃やしてしまうのである。なんて純粋な人たちだ。どこの国とは言わないが、この不死の妙薬をめぐって血みどろの奪い合いが始まってもおかしくないのに、燃やしてしまうとはなんと言う心意気。 と思ったのだが、よく考えるとそうか、帝がそんなよくに塗れていてはダメだよね。たぶんこの時代の帝といえば神にも近い存在だから、そんなよくに塗れた姿を物語に描いたらこっぴどく怒られちゃうよね。 あと、月の迎えのものたちの能力がすごくてびっくりする。この時代にこんな能力者が描けるとすごいよね。全ての人の攻撃性をなくすわ、閉めた襖は全部ずばーんって開け放すわ、もう全能感抜群。そして衣を着せると月人の人格になってしまうとか。なんかすんごいちゃんとしたSFなのよ。 竹取物語、一読の価値あり。