すだれ
2026年8月26日
主人公を四面楚歌の状態に置いてドラマを生み出そうとしたけど失敗した、みたいな小説。 それぞれのコンセプトは良いが、もう一人くらい主人公の圧倒的な理解者を配置しておかないと、主人公がこの境遇に踏みとどまっている説明としては弱い。 主人公がそこそこ賢いという設定であれば尚更、児童相談所に泣きつく、教師を通じて行政にわたりをつける、という方法を取らなかった理由がわからない。 また、父親も公務員であれば、妻子を捨てる行動を取らない(暴露されたときの職場でのダメージが大きい)だろうから、そちらもなんだかなあ、という感じ。 小説というものは、登場人物に共感できるできないは問題ではない。登場人物の行動や思考に納得できるかできないかが問題なのである。その意味では、非常に納得感の薄い小説だった。
はるを呼ぶ
実石沙枝子
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