はるを呼ぶ

はるを呼ぶ

実石沙枝子
ポプラ社 (2026年3月4日発売)
ISBN:9784591189276
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作品紹介・あらすじ

海沿いの小さな田舎町に暮らす晴奈は、高校三年生。母親と二人で戸建て住宅に住んでいる。母親は、晴奈のことを「小春」と呼ぶ。小春は晴奈の姉で、高校三年生だった10年前に忽然と姿を消してしまった。警察をはじめ、町を挙げての捜索も実らず、いつしか「小春は神隠しにあったのだ」と町中で噂されるようになり、晴奈の一家は周囲から避けられるようになっていく。さらに小春の失踪が原因で母親は精神の均衡を崩し、父親は家を...

感想・レビュー (1件)

主人公を四面楚歌の状態に置いてドラマを生み出そうとしたけど失敗した、みたいな小説。 それぞれのコンセプトは良いが、もう一人くらい主人公の圧倒的な理解者を配置しておかないと、主人公がこの境遇に踏みとどまっている説明としては弱い。 主人公がそこそこ賢いという設定であれば尚更、児童相談所に泣きつく、教師を通じて行政にわたりをつける、という方法を取らなかった理由がわからない。 また、父親も公務員であれば、妻子を捨てる行動を取らない(暴露されたときの職場でのダメージが大きい)だろうから、そちらもなんだかなあ、という感じ。 小説というものは、登場人物に共感できるできないは問題ではない。登場人物の行動や思考に納得できるかできないかが問題なのである。その意味では、非常に納得感の薄い小説だった。