かずひで

2025年2月18日

とても面白く他のミステリー作品とは一線を画すものであった。捜査一課長の佐伯刑事としての正義溢れる戦いと娘を殺された後のサイコパス極まりない振る舞いが交互に書かれており人間の脆さというものに考えさせられる話であった。自分にとって命よりも大切なものを失った時人はどうなるのか。その答えは何なのか。大きすぎる正義は崩壊と共に絶対値はそのままでプラスマイナスが逆になってしまい元には戻れない。人間という生き物について問いたくなるいい小説であった。

慟哭

慟哭

貫井徳郎

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