作品紹介・あらすじ
「この物語は、中年版『君たちはどう生きるか』です。」--金原ひとみ
仕事と動画とご飯というルーティン。
それが私で、私の生活だ。自分には何もない。(本文より)
毎日同じ時間に出勤退勤し、同じようなご飯とサブスク動画を詰め込む「ルーティン人生」を送る、45歳一人暮らしの「兼松書房」労務課勤務・浜野文乃(はまのあやの)。ある日、上司の指示で、「捻挫で三週間の在宅勤務」を続ける編集者・平木直理(ひらきな...
感想・レビュー (4件)
表紙も派手だし、何の本?と思っていたけど、意外と面白かった。不幸な境遇で育った2人。かさましまさかさんと浜野さん。離婚後、色のない諦めた生活の中から救い出してくれた同僚の平木さん。かっ飛んでいて楽しい。幸せは予期しないことが起こるから幸せなんだな。昨日テレビで、新しいことに興味を持つことが幸福感アップだと言ってた。
過去に傷ついたままの主人公が出会った、強烈な個性の人々…彼らと関わることで、生きる意味を見出していく痛快な物語。
面白かった!過去の傷が原因でつい安寧に身を任せる気持ちやオジサンの描写他、所々パーフェクトな言語化で首肯ばかり。著者の名付けのセンスも絶妙だったし、会話の掛け合いが無性に心地よかった。著者曰く、中年版『君たちはどう生きるか』らしい。納得。
とても良かった
