カナコ

5件のレビュー

レビュー

女性アイドルのファンをしているので身につまされる部分が多い。もし私の応援しているグループに熱愛報道が出て悲願の武道館公演前にメンバーが脱退したら立ち直れないけど、自分の納得できる人生を送ってほしい気持ちもある。彼女たちがアイドルをしてくれていること、アイドルである彼女たちを応援できることにあらためて感謝したくなる作品。 アイドルが好きな人だけでなく、そうでない人でも、自分とは何か?夢とは何か?好きとは何かといった普遍的なテーマがあるので楽しめると思う。

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武道館

武道館

朝井 リョウ

毎回新刊を楽しみに読んでいるシリーズ。今回もぐいぐい引き込まれてあっという間に読み終わった。猫猫と壬氏の仲がぎゅぎゅんと進んで終始ニヤニヤが止まらなかった。 でも、彼が現帝の長男だと明らかになったし、今後波乱の展開が待ち受けてそうだな〜。 皇籍臣下を望んでるみたいだけどそうは上手くいかなそう。早く次が読みたい!

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薬屋のひとりごと 13

薬屋のひとりごと 13

日向夏/しのとうこ

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が念頭にあったので、バイアスはかかったが登場人物や出来事が頭の中で整理されて読みやすかった。 久しぶりに近代日本文学を読んだが(太宰治をそんなふうに大雑把にくくってよいかは置いておいて)、一文の長い独特の文調が心地よかった。 近習は果たして「信頼できる語り手」なのかずっと疑問だった。実朝が亡くなってから20年近く経っている上、語り手の近習は実朝をかなり慕っているようだから、彼の語る実朝像は美化されているのではないかと思う。 終盤の、語り手の近習と公暁との会話が生々しくて良かった。公暁の語る実朝像も、もちろん偏ったものであると思うけど、実朝には確かにそういう面もあるのではないかと感じた。 「鉄面皮」も面白かった。「人間失格」に通ずるところもあって、太宰治の繊細さが伝わってきた。太宰治は、人間の弱いところ、上手くできない心にすっと染み込む中毒性があるとあらためて感じた。

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右大臣実朝 他一篇

右大臣実朝 他一篇

太宰 治

やっぱり異国情緒を感じられる作品が好きだなぁとしみじみ思った。宝塚を見た後に読んだので観劇の記憶も蘇ってさらに良かった。 夫があおった毒を「覚えておきましょう」と言った二十年後、自害するときにその毒を選ぶ展開、愛だなと思う。

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斜陽の国のルスダン

斜陽の国のルスダン

並木 陽/トマトスープ

判断力を持ったAIは「神」=「ニンゲンを裁くもの」になる。 環境によって学習する内容が変わるから、同じAIを搭載した同じシリーズのアンドロイドでもそれぞれ違った価値観を持つようになる。 デトロイトビカムヒューマンの「目を覚まして」の解像度が上がった。 ジャンヌは「私を擬人化してはいけない」「私に感情はない」と言うけど、シェリーを見守りたいと思う気持ち(?)はどこから来るものなんだろう。それって、愛情まではいかなくても愛着くらいはあるんじゃないだろうか。

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ジャンヌ Jeanne、 the Bystander

ジャンヌ Jeanne、 the Bystander

河合莞爾