作品紹介・あらすじ
あたかも罪と罰の概念をもつかのように振る舞う異星の草食獣シエジーたちの衝撃的な秘密を描く表題作を含む、宇宙SF中短篇3作
感想・レビュー (1件)
春暮康一「法治の獣」読了。 我が姉君から正月に実家帰ったとき借りた本。地球外生命とのコンタクトをテーマにしたSFの短編集。久しぶりにこんながっつりSFな小説を読んだ。でも確かに面白かった。 そして読んでいるとイメージは星野之宣の絵柄で頭の中に展開される感じ。 「主観者」「法治の獣」「方舟は荒野をわたる」の3篇。そしてこの3篇は時代は違えど全て共通の世界で描かれている。 人類が新世界を求め宇宙を旅し、地球のように住める場所、もしくはテラフォーミングができそうな星を探しているそんな時代のお話。 他の星にもし生命体がいたとして、そしてもし知性があったして接触するとどうなるか。 接触の仕方、影響、考え方、その世界に生物がいたとしてそれに知性があるとどう証明するのか。果たして本当にその生物に知性はあるのか。観察すること自体がその生命体に影響を与えてしまう不確定性原理のような考え方。すごい。なんというすごい考察だ。そして確かにそこまで考えないといけないのだなとも思う。 SF映画では人類が宇宙人に攻められる設定は星の数ほどあるが、この小説はその逆。人はその惑星を、人類の勝手な考えで変えてしまっていいのか。変えるつもりはなく観察するだけでもその惑星の変えてしまう危険性。うーむ。考えさせられる。1番好きなのは最後の「方舟は荒野をわたる」かな。テラリウムには知性が宿るのか。自分の身体の中ももしかして...なんてね。
