毒親

毒親

中野 信子
ポプラ社 (2020年3月26日発売)
ISBN:9784591162781
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作品紹介・あらすじ

毒親そだちのあなたと 毒親になりたくないあなたに贈ります。 ●親を憎んでしまうのは、自分のせい? ●なぜ、子どもを束縛したくなる? ●こんなに愛しているのに、なぜ憎くなる? …… 家族についての悩みはあなたのせいではない! 気鋭の脳科学者が、ついに「パンドラの箱を」開ける! 「毒親」の正体とその向き合い方を分かりやすく説きます。 ************* 日本の殺人事件のうち、 実に55%...

感想・レビュー (1件)

A 著者は脳科学者であり、脳科学の領域からの見地も多く説得力があります。一方で「生まれる、という不条理」について考え抜いた記述があるのが特徴的です。 毒親とのタイトルですが、母と娘の関係についての記述が多いです。娘を妬む母親が調子に乗る娘を虐待するケースが少なくないようで、子育て中の母親の中には、子供の中に自分と似た面が認識されると嫌悪感を抱き憎悪の感情が湧いてくる人もいるようです。また子供に何でもやってあげる母親も毒親となるそうです。一方であまりにも母親の担う役割が多すぎて疲弊してしまっている現状を打破すべくテクノロジーを駆使して、親の心理的余裕を確保する社会インフラをつくるべき、とも言ってます。 脳内物質の分泌から母性と父性の違いが記述されており、とても判りやすかった。 親も初めての子育てだと毒親になってしまう可能性は十分にあり、そうなると「頼んでもいないのになぜ産んだのか」と子は親を恨んでしまう、と著者は言います。しかし親にも親がいて完璧に育てられた訳では無い・・と苦悩の元凶探しは終わりがありません。苦しみの連続である生についてどれだけ豊かに受け止めることが出来るのか、私たちは運命に試されているのかもしれない、と著者は括っています。

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