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2022年12月6日

与謝野晶子 くろ髪やまだあざけりの心もて春に会はぬをよろこべる人 うるさしや小鳥の話飽かずする客人早く鳥となれかし くれなゐと思へる胸に灰色の塔いつの間にか建てられにけん 人はやく酔ひたまふかなわが見つる海を語れば恋を語れば わが思ふ人にならべて見るものか華奢に艶めく初夏の風 元日は犯せる罪のかなしさのごと雨つづきしば杜鵑啼く 恋すれば日に三度死に三度生くこのおもむきのあわただしさよ 前田夕暮 一室のうちに数人のきちがひが皆立てひけりむきむきになりて 白蓮 われはここに神はいづくにましますや星のまたたき寂しき夜なり 骨肉は父と母とにまかせ来ぬわが魂よ誰にかへさむ 何物も持たぬ此身の重荷ただ吾はわが身をいかにかすべき 今日もまた髪ととのへて紅つけてただおとなしう暮らしけるかな 吾は強し怒りを胸にたたみつつ思ひなおして空ゑみもする いつの日の君が涙のゆめの跡今わがふめる道の辺の花 ベコニヤの花の眠ると君が来ます夕べのくるといづれか早き 山田邦子 太陽よ一人の女永久に汝れに背きて死ぬと記憶せよ

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現代短歌全集(第3巻)増補版

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上田三四二

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