作品紹介・あらすじ
ミュンヘン近郊の町で、楽器店を営む両親と、障がいをもって生まれて来た妹と暮らす少年。彼の眼を通して、ヒトラーの台頭から、政権への反対者の逮捕、ユダヤ人差別・弾圧、障がい者の隔離をはじめとしたナチスの支配、そして第二次世界大戦とナチス・ドイツの敗北までを描いた物語。
戦争が終わり、廃墟となったミュンヘン郊外の町で、兵隊から復員してきた父親に少年は、「父さんはどうしてヒトラーに投票したの?」と最後に問...
感想・レビュー (1件)
訳者 湯川順夫さんのあとがきが心に残りました。 何かがうまくいかなくなると「〇〇のせい」と社会の少数派を攻撃するようなやり方は現在の世界でも頻繁に見られます。ユダヤ人のせい。障害があるせい。ナチやヒトラーの考え方は過去のものになったのでしょうか?社会や政治は私たちの外にあるのではなく、常に私たちの内側にあることを私も忘れないようにしていきたい。