グリフィスの傷

グリフィスの傷

千早茜
集英社 (2024年4月26日発売)
ISBN:9784087718652
本棚登録:38

作品紹介・あらすじ

からだは傷みを忘れないーーたとえ肌がなめらかさを取り戻そうとも。 「傷」をめぐる10の物語を通して「癒える」とは何かを問いかける、切々とした疼きとふくよかな余韻に満ちた短編小説集。 「みんな、皮膚の下に流れている赤を忘れて暮らしている」。ある日を境に、「私」は高校のクラスメイト全員から「存在しない者」とされてしまいーー「竜舌蘭」 「傷が、いつの日かよみがえってあなたを壊してしまわないよう、わたし...

感想・レビュー (3件)

魚神で世界観に引き込まれてしまって他の作品も読みたいと思った二冊目。 全然気づかなかったけど短編集。 すべてが傷に関係するもの。 ハッピーエンドとか胸が温かくなる作品がある中後味悪い話もあって気が抜けなかった。 シャワーでお尻切っちゃった子の話はとても良かった。 犬が嫌いなおじさんの話は可哀想すぎた(まぁやりすぎだったから多少は自業自得なのかもだけど) うんうん。全部好き。 他の作品も読みたい。

色んな角度から傷、特に傷跡を描いた作品

1/4読み終わり。傷にまつわる短編集。ちょっとじわじわ怖いというのが正直な感想。「慈雨」が一番よかった。実父が自分のことを嫌っていると感じている娘。自分でも忘れていた額の傷は、幼い頃、父が目を離している隙にさくらんぼを取ろうとして梯子から落ちた時に怪我したものであり、父はその負目から自分の顔をまともに見られないということが大人になって分かったっていう話。