作品紹介・あらすじ
老書店員と少女が織りなす現代のメルヒェン
本を愛し、書物とともにあることが生きがいの孤独な老書店員が、利発でこましゃくれた九歳の少女と出会い、みずからの閉ざされた世界を破られ、現実世界との新たな接点を取り戻していく物語。
老舗の書店〈市壁門堂〉に勤めるカール・コルホフは、特定の顧客にそれぞれの嗜好を熟知したうえで毎晩徒歩で注文の本を届け、感謝されている。カールは顧客たちをひそかに本の世界の住人の...
感想・レビュー (1件)
もう各章のタイトルから文学作品名だし、たくさんの本の紹介が関連して出てくる(のを探したり)、主人公のカールがつける配達先の顧客に本の登場人物のキャラからニックネームをつけて自分のなかで呼んでいて本名がでなかったり、少女のヒロインである幼いさながらの無遠慮さ、頑固でユーモアのあるシャシャともう70を越えるカールとのやりとり、どれをとっても素敵!みんなそれぞれ心を閉ざしている部分があり、それを解放するのが本であり、人の思いだった。本のちからはもちろん、自分との闘いや周りとの関わりの大切さについて私も気付かされた。やっぱり本って世の中に必要!手から手に渡されるって心の通い合いみたいであったかい♡わたしにもこういうサービス、フランスでできないかな?読み終わってまた最初から読みたくなったのは初めて!彼の他の作品は英語も日本語もなくて残念。いつかドイツ語で読める日が来るか?
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