サンショウウオの四十九日

サンショウウオの四十九日

朝比奈秋
新潮社 (2024年7月12日発売)
ISBN:9784103557319
本棚登録:72

作品紹介・あらすじ

同じ身体を生きる姉妹、その驚きに満ちた普通の人生を描く、芥川賞候補作。周りからは一人に見える。でも私のすぐ隣にいるのは別のわたし。不思議なことはなにもない。けれど姉妹は考える、隣のあなたは誰なのか? そして今これを考えているのは誰なのかーー三島賞受賞作『植物少女』の衝撃再び。最も注目される作家が医師としての経験と驚異の想像力で人生の普遍を描く、世界が初めて出会う物語。

感想・レビュー (2件)

人が生きるというのはどういうことなのだろうか。心臓が止まった時、人は死ぬのだろうか。そのどちらにも「意識」の存在が重要である。結合双生児として2人の人間が1つの体を共有する。意識は2つだが命は1つ。1つの命に一つの意識ではないため、より意識とは何なのか突きつけられた。現実で心臓が正常に動いていたら意識だけが死ぬというのは珍しいかもしれない。しかし意識が生きてるとか死ぬとかの境界線というのは一体どこからなのか。答えというのは簡単には出せないが、考えていかなければならない議題であり、命題である。

胎児内胎児の父と伯父 結合双生児の杏と瞬