レビュー (1件)
タイトル、イラスト、その分厚さから手に取り、そして最初の数ページ読んだだけで話に引き込まれて買ってしまいました。そんなこともある… 1928年、イギリス人のジュリエット・ブラウニングはベネチアに伯母と旅行をする。そしてレオナルド・ダ・ロッシと出会い恋に落ちる。ではあるがすぐに伯母に仲を引き裂かれ、帰国することになる。10年後、ジュリエットは美術の教師として再びベネチアを訪れ、予期せずレオナルドと再会し、彼が望まぬ結婚をしていることを知る。 1年後、再びジュリエットはベネチアを訪れる。今度は美術学校の生徒として。そして、レオナルドと三度再会することになる…。 時は流れ、2001年キャロライン・グラントは夫のジョシュと別れることになる。親権を行使したジョシュは、息子のテディをニューヨークに休みの間連れてくることを要求する。そしてテディが渡米している間に911が起きてしまう。すぐにはイギリスに帰れなくなるテディ。また、時を同じて今度は大伯母のレティが亡くなってしまう。「アンジェロ、探して、ベネチア」といういまわの言葉と三本の鍵を残したレティ。失意の底に沈むキャロライン。テディにも会えぬ彼女は、祖母のアドバイスに従ってベネチアを訪れることになる…。そして、60年近く前の大伯母レティことジュリエットの軌跡を辿ることになる…。 半世紀以上の時を挟み、ジュリエットの悲しい運命を知るキャロライン。かつてベネチアで何があったのか、遺言の意味はなんであったのか、という謎解きミステリー。 歴史小説としては少し文体は軽いのですが、とても引き込まれていくテンポの良さがあります。 とてもロマンチックでそして悲しい歴史に翻弄されたジュリエットの運命を知るキャロライン。 とても長文ですが(700ページ!)、サクサク読めてしまうのでみなさんに読んで欲しい作品です。
