ビタミンF

ビタミンF

重松清
新潮社
ISBN:9784101349152
本棚登録:159

作品紹介・あらすじ

このビタミンは心に効きます。疲れた時にどうぞーー。「家族小説」の最高峰。直木賞受賞作!   38歳、いつの間にか「昔」や「若い頃」といった言葉に抵抗感がなくなった。40歳、中学一年生の息子としっくりいかない。妻の入院中、どう過ごせばいいのやら。36歳、「離婚してもいいけど」、妻が最近そう呟いた……。一時の輝きを失い、人生の“中途半端”な時期に差し掛かった人たちに贈るエール。「また、がんばってみる...

感想・レビュー (2件)

家庭も仕事もほどほど順調なお父さん7人の物語。「ビタミンF」のFはきっとFamilyのFなんだろう。30〜40代の男性って、主体的に行動できない時期に入ってるんじゃないかな。家庭では奥さんに主導権を握られ、会社では上の意向を窺い仕事をし。でも裏を返せば、流されるまま平穏に日々を過ごしていられるということ。しかし平穏だと思っていた日々に変化が起きる。子供の成長や両親の老いがもたらす変化だ。変化は家族が新たなフェーズに入ったことを示す。それに向き合い、ひとり静かに気合を入れ直すお父さん。エールをおくりたい。

読みやすい 頭に入ってきやすい さすが重松さん