作品紹介・あらすじ
第174回直木賞受賞作
東京・上野のカフェーで女給として働いた、
“百年前のわたしたちの物語”
強くたおやかに生きる女性たちが、
みんな、みんな、愛おしい。
ーー原田ひ香
時代を映す鏡であった仕事「女給」を通し、
大正から昭和を生きた市井の女性の人生を描き出す。
『襷がけの二人」の著者、心ふるえる最新作。
東京・上野の片隅にある、あまり流行(はや)っていない「カフェー西行」。食堂や喫茶も兼...
感想・レビュー (4件)
4/19読み終わり。とーってもよかった。島津さんの本はとても読後感がいい。素敵。戦前戦後のカフェーで働く女給たちの物語。大正生まれの人たち。美登里、セイ、タイ子(息子は豪一)とカフェーで関わる人たち、家族の話で、字の読み書きができなかったのを努力したり、息子や兄弟が出世したしたり、日常の機微の描き方がとてもとても味わい深い。じわじわと感動する。
上野のカフェー西行にかかわった女性たちの人生を、連作というかたちで綴った作品。 どの女性たちもかなりクセの強い個性的な人物だが、女性が生きづらかった時代をひたむきに懸命に生きている姿が愛おしい。 戦争の荒波に揉まれながらしたたかに生き抜き、カフェーにみんなが顔を揃える最後のシーンにほっと安堵する。カフェーのマスターの菊田さんも好き。
嶋津さんの書く女性は、どこか狡かったり、だらしがなかったりするのだが、その欠点があるからこそ生きている感じがする。 カフェーの女給が主人公の小説かと思いきや、各登場人物の女給時代は結構短い。女給をしていた女性がどういう人生を送ったがこの小説のミソである。時代としては昭和元年前後から昭和25年まで、実に四半世紀に亘る。 東京の下町史として読んでも面白い。