夜がどれほど暗くても

夜がどれほど暗くても

中山七里
角川春樹事務所
ISBN:9784758443630
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作品紹介・あらすじ

志賀倫成は、大手出版社の雑誌『週刊春潮』の副編集長。 スキャンダル記事に自負を持ち、充実した編集者生活を送っていた。 しかし大学生の息子・健輔に、ストーカー殺人を犯して自殺したという疑いがかかる。 彼の幸福は崩れ去り、取材対象からも罵倒される日々に、精神がすり潰されていく。 だが被害者遺族である奈々美と出会い……。 圧倒的筆致で真実と愛を描く、傑作ミステリ登場。(解説・西原理恵子)

感想・レビュー (6件)

・面白かったけど、ミステリー加減は物足りず

やっぱり 七里さんらしい。

世の中で起きる様々な事故や事件に対して、当事者ではなく、間接的に影響も受けていない立場であればこそ、冷静に、客観的に考えることができるのだと思います。そんなとき、私たちは思いやりにあふれ、優しく寛容な人でいられるのかもしれません。 けれど、それが自分の身にふりかかり、我慢を強いられるような立場になったときにも、同じようにいられるのでしょうか。受け入れ、優しくあることができるのでしょうか。 実際に自分が当事者になったとき、自分の中にある矮小さや意地悪さ、ケチな傲慢さや横柄さに驚かされます。他人事のときには見えなかった、無責任な自分の姿にも気づきました。私は「善人の顔」をして、普段は「菩薩の修業中」などと語っているくせに、これで本当に修業中と言えるのか?と、自分に問いかけずにはいられませんでした。 そんな自分に向き合う一方で、「誰かを守ってあげたい」という衝動に突き動かされる、自分の中の“善”の存在も確かに感じています。 だからこそ、必要以上に自分を卑下することなく、愚かでかっこ悪い自分も認めながら、菩薩を志すという道を通して善なる自己を育てていきたい。そしていつか、社会の中で誰かの役に立てるような自分でありたいと願っています。

読んでて 苦しかった マスコミの傍若無人さ 人の不幸に匿名をいいことに土足で踏み込む人々 人は 自分が不幸だったら他人をおとしめる者なのか人に優しくできるのは 自分が 幸福でないと無理なのか

被害者と加害者家族の関係の構築の仕方が素晴らしい 葛城さんが「奇跡」と言っていたけれどまさに奇跡だと思う 志賀の父性はもっと早く覚醒すべきだったと思うけれどそれにしても素晴らしい構成 結末は急速で七里作品にしては謎解き部分が少なかったけどそれも本作の焦点が最初に述べた部分にあると思えば当然 これはミステリーではない

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最後全てハッピーエンドで終わるようでよかった😆殺人犯の身内ではなくなったし

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