ホテルローヤル

ホテルローヤル

桜木紫乃
集英社 (2015年6月25日発売)
ISBN:9784087453256
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作品紹介・あらすじ

北国のラブホテルの一室で、心をも裸にして生々しく抱き合う男と女。互いの孤独を重ねる中に見えてくるそれぞれの人生の大切な断片を切り取る。第149回直木賞受賞作の文庫化。(解説/川本三郎)

感想・レビュー (2件)

湿っぽい、というネットで見た感想がぴったり。 劇的なことは(心中以外)ほとんど起こらず、 ただ淡々とホテルでの描写が続く。 ヌード写真を撮るカップルの彼女は、撮影が嫌でも結局笑うことしかできない。 オーナーの娘は業者の男を誘うが成功しない。 夫婦のひさびさの2人の時間を過ごせた話はいい話だったが、その後そのローヤルは潰れてしまう。 そして何より、妻に不倫された教師と親に捨てられた女子高生は心中してしまう。 唯一の救いはローヤルで働いていた清掃の女性だろうか。旦那が迎えに来てくれるが、それでもきっと無職の旦那を支えなければいけない彼女の日々はこれからも苦労の連続だろう。 すごく面白いか、と言われると分からないけど すぐに最後まで読んでしまうくらい引き込まれたことは間違いない。 私も面白くはなくとも最後まで読みたくなるような文章を書けるようになりたいし、人としてもそういう不思議な魅力が欲しい。

北海道の釧路にあるホテルローヤルが舞台。この小説は未来から過去へと7つの話がある。どこか秘密めいた世をはばかるような悲しみがあった。