作品紹介・あらすじ
お家を守るため、妻にも娘にも「お腹召しませ」とせっつかれる高津又兵衛が、最後に下した決断は…。武士の本義が薄れた幕末維新期、惑いながらもおのれを貫いた男たちの物語。表題作ほか全六篇。中央公論文芸賞・司馬遼太郎賞受賞。
感想・レビュー (1件)
浅田次郎の短編集を思う存分味わえる秀作。 270年続いた江戸時代が終焉を迎え、武士の美徳や本分が薄れようとする時代、侍たちのやり場のない戸惑いが悲哀を込めて描かれている。その中で、武士の最後の世代が、新しい時代に価値観を見つけて、人生を生き直そうとする姿がとても暖かく胸を打つ。 『女敵討』がとても好き。登場人物がみんなひたむきで魅了される。