文庫 彼方の友へ

文庫 彼方の友へ

伊吹有喜
実業之日本社 (2020年10月8日発売)
ISBN:9784408556161
本棚登録:8

作品紹介・あらすじ

友よ、最上のものを。 戦中の東京、雑誌づくりに夢と情熱を抱いてーー 老人施設でひとりまどろむ佐倉波津子に、小さな箱が手渡された。 「乙女の友・昭和十三年 新年号附録 長谷川純司 作」。 そう印刷された可憐な箱は、70余年の歳月をかけて届けられたものだった ーー戦前、戦中、戦後という激動の時代に情熱を胸に歩む人々を、 あたたかく、生き生きとした筆致で描ききった感動傑作。 巻末に、文庫のための書き...

感想・レビュー (1件)

崇高なる使命感を胸に激動の時代を駆け抜けたハツの奮闘ぶりや、心の灯となる一冊の雑誌を送り出すために注がれた人々の情熱には何度も心揺さぶられた。ラストのエピローグの余韻に暫く浸っていたい。 幾つか謎は残るものの、タイトルの意味を噛みしめる度に胸熱になる。