とりどりみどり

とりどりみどり

西條奈加
祥伝社 (2023年3月9日発売)
ISBN:9784396636418
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作品紹介・あらすじ

万両店の末弟、鷺之介が齢十一にして悩みがつきない原因とはーー。 時代小説の名手が描く、ホロリと泣かせる大江戸謎解き物語。 万両店の廻船問屋『飛鷹屋』の末弟・鷺之介は、齢十一にして悩みが尽きない。かしましい三人の姉ーーお瀬己・お日和・お喜路のお喋りや買い物、芝居、物見遊山に常日頃付き合わされるからだ。遠慮なし、気遣いなし、毒舌大いにあり。三拍子そろった三姉妹の傍にいるだけで、身がふたまわりはすり減...

感想・レビュー (2件)

成金で裕福な江戸の廻船問屋、飛鷹屋が舞台の時代小説。 時代小説といえば、たいてい、微禄の藩士や、手堅いが豊かでない商家の子弟、奉公人が主人公だったりするので、ここまで金回りの良い一家の話は実に新鮮である。 また、狂言回しにして主人公の、末っ子の鷺之介が優秀。一癖どころではない三姉妹の尻にしかれっぱなしの彼だが、鷺之介の視点で語られるからこそ、三姉妹の毒がほどよく味わえるのだ。 最後の二章は本当に読みごたえあり。傑作。