匿名ユーザー
2026年4月24日
大阪京橋にあるキャバレー「グランドシャトー」NO.1ホステス真珠と出会ったルー。彼女の不思議な魅力に惹かれ ホステスから芸能人として東京で成功したが、再び戻ってきたルー。 真珠が亡くなった後、彼女の過去を知ることになる。 親を捨て、親から捨てられたルー。 ホステスの先輩である真珠を母親のように慕う。ルーのような女を何も言わずに受け入れる真珠。真珠が受け入れた女性はルーだけではなかった。 乳児を戦果で亡くした真珠にとって お地蔵さんの掃除をし、前掛けを作って幼子を偲ぶのと同じように、不幸な女性に手を差しのべてきたのだ。 例え貸したお金が返ってこなくても 母親が子供に与える無償の愛のように与え続けるのだった。 してやれなかった子供の替わりにしてやるように。 何億ものお金を稼いでも真珠の心は満たされなかっただろう。贅沢一つせず、淡々と終戦後と同じ生活を続けていた。 まるで日々の暮らしが修行という僧侶のように。 自分の死も素直に受け入れ、運命に逆らわずに最後まで生きたのだと思う。 この世の哀しみや憎しみを越えた 透明人間のようだ。 色んな人の悩みは、真珠の心を通せば 全てが透明になっていく… そんな魅力でグランドシャトーの No.1になったのだろうか。 惹きも切らない葬儀の列に真珠の柔らかい笑顔が思い浮かぶ。 高度経済成長の裏には、こんな人が 五万といたことを私達は、決して忘れてはならないと思った。
グランドシャトー
高殿円
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