匿名ユーザー
2026年7月16日
父を病で亡くし、母一人子一人の生活の中、針仕事を終えた母から毎晩錦絵で話しを聞かせて貰い、僅か5歳で旅することを命じられた上野房五郎(前島密)。その旅は、越後から糸魚川の親戚の医師相沢文仲に母の文を届けるものであった。 房五郎は、この時から自身の向上心を満たす為の「旅に次ぐ旅」をしていくことになる。外国に強い興味をもった房五郎は江戸・函館・長崎・京・大坂を何度も往復し、その都度師を変え、上司を変えつつ、将来に繋がる知識や経験を積んでいった。 英語ができることから明治政府の役人に抜擢され、新しい仕事を選べる立場となり、今までの人生を振り返って郵政に賭けることを選んだ。 文書を安全に確実に届けることが、近代国家になることであり、一般市民にもその意義を浸透させることこができる。イギリスに渡って、それを痛感することになる。 郵便制度を確立するにあたり、 切手を再利用させないための「消印」を思いつくのにかなりの時間を要したことが、とても面白かった。 当たり前となっている郵便制度に、今更ながら先人の苦労を知り、改めて有難いと心から思える。
ゆうびんの父
門井慶喜
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