作品紹介・あらすじ
異端の政治学者による知的自分史
長年ソ連・ロシア研究に携わってきた著者が自らの学問的基盤を振り返り、その知的遍歴をたどる読書録。
「政治学者らしくない政治学者」、「歴史家らしくない歴史家」、「研究者らしくない研究者」ということと関連して、私はさまざまな学問分野に関心をいだきつつも、それらに本格的に参入してはいないという限界性をかかえていた。(…)私はそういう自己の知的遍歴を振り返る作業をこれま...
感想・レビュー (1件)
汎用的な読書法の本かと思ったら、個人的な読書遍歴だった。だが、『サイエンス•ウォーズ』を題材にした学問論の章は非常に勉強になった。 ●科学者と「科学論者」の間の論争 ●科学論の潮流としてのポストモダニズム、社会構成主義、反実在論 ●純然たる素人からなる一般社会ではなく、科学の内と外にまたがるような位置にある科学論者たちの批判の精度に科学者たちは不信感を抱く。 ●意味不明な表現で人を煙に巻くポストモダニストたちの科学用語の使用が不正確な理解に立脚していなかったとするなら ●多くの論争はどちらか一方が全面的に正しいとか間違っているというよりもむしろ、双方にそれなりの理があるにもかかわらず、往々にして議論が極端化した形で提起されることで、すれ違いが生じ、泥仕合と化しやすい。 難解な問題を誠実に表現しようとする余り、くどさも感じるが、学者にしては平易に明快に書くことに努めているので、思いの外、理解しやすかった。