荒野 12歳 ぼくの小さな黒猫ちゃん

荒野 12歳 ぼくの小さな黒猫ちゃん

桜庭一樹
文藝春秋 (2011年1月7日発売)
ISBN:9784167784027
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作品紹介・あらすじ

鎌倉で小説家の父と暮らす山野内荒野は、中学入学の日、通学中の電車で見知らぬ少年に窮地を救われる。だが、それは彼女の身に起こる小さくて大きな変化の始まりでしかなかったー。“恋”とは、“好き”とは?うつろいゆく季節のなかで、少しずつ大人になっていく少女の四年間を描くビルドゥングスロマン。全三巻の第一巻。

感想・レビュー (1件)

桜庭一樹「荒野 12歳 僕の小さな黒猫ちゃん」読了。 桜庭一樹は大好きな作家さんの1人で小説はほとんど読んでいるのだが、この荒野の三部作だけは、あらすじを読んだ時に恋愛小説のような感じだったので読んでいなかった。恋愛小説は苦手なのよね。でもやはり桜庭一樹は好きなので乗り越えて読んでみようと思いました。 ということで、まずは3部作の序章から。主人公の山野内荒野(やまのうちこうや)はタイトル通り12歳。小学校を卒業して中学校への初登校シーンから始まる。 気になる同級生の神奈月悠也、入学してすぐ仲良くなった江里華と麻美、可愛い黒猫ちゃんと可愛がってくれる恋愛小説家の父、セブンスターの香りのする大好きな家政婦奈々子さん。色んな人と関わり合いながら自身の身体と精神の変化に戸惑いつつも荒野は成長して行く。子供から大人へ。変わりたくないけど変わってしまう。 なんか心のどこかがむず痒くなる。 山野内荒野。12歳。大人、以前。