大倉れん
大倉れん

2025年1月8日

一個人の暮らし、心の置き場、幸福の感覚、不快な状況をこれほど細やかにそっと書き出して提示してくれる小説を知らない。 主人公の名も明かさず、容姿もうたわずなのに、このことりの小父さんに惹かれて読んでしまう。 丁寧に丁寧に書くことか。 難しい言葉は一切なく、それが小説の世界とマッチしている。

ことり

ことり

小川洋子(小説家)

本棚登録:0