
薄雪
2025年5月20日
一年に一回づつ、夏は訪れる。そんな書き出しで始めるこの小説。 三秋縋さんの『君が電話をかけてきた場所』 主人公・深町陽介は、顔の右半分に大きな痣を持つ高校生。その外見から自信を持てず、また他人にも避けられてきた。そのため、中学生時代は不良として過ごしてきた。 ある日、道を歩いている時に近くにある公衆電話が鳴る。受話器を取ると、謎の女性から「賭けをしませんか?」と持ちかけられる。その内容は、痣を消す代わりに、初恋の相手・初鹿野唯と恋人になってみせよ、というもの。賭けに乗った陽介の痣は消える。 高校に進学した陽介は、痣がないこともあり、クラスに溶け込んでいく。隣の席の少女、荻上千草やサッカー部員永洞とも仲良くなる。そして、ある日初鹿野唯とも再会する。 しかし、彼女は… 夏と海辺の街を舞台とした三秋さんの作品、下巻に続きます。
君が電話をかけていた場所
三秋 縋
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