2025年11月13日
やっと最後まで読めた。 初めの頃はアニメだし、途中は殆ど読めて無い。でもマインとフェルディナンドの幸せを確認出来たから良しとする。それにしても、ラノベがこんなに勉強になるとは思わなかった。グーテンベルグ、プランタン商会、アレキサンドリアなど歴史的に本や図書館に関するワード満載で、作者の本に対する思い入れや造詣の深さが良くわかる作品だと思う。 こんなにのめり込める作品を読めて感動したし、本好きに出会わせてくれたAmazonにも感謝かな?でも図書館がこの作品をあまり重視していないのがちょっと不満。日本だってここまで本が普及して、活字が溢れた社会になってまだ100年も経っていない。確かに識字率に関しては世界有数の国ではあるし、それは歴史的に見ても確かだろう。けれど今回オランダを勉強して、オランダの歴史を知って「井の中の蛙大海を知らず」という諺を実感した。海洋国家オランダは中世から情報の重要性を知っていた、印刷、出版、新聞等の分野の発展がどこよりも早い。ヨーロッパの中規模かやや小規模な国家の為に、途中で大英帝国に取って代わられたが、それにしても先駆けて情報分野の発展を牽引した国へのリスペクトを感じる。イギリスやフランス、ドイツ(プロシャ)などの大国を周囲に控え絶え間ない戦争に見舞われ、さらに国内でも宗教紛争に明け暮れながら、自分達の望む国家を建国した事を知って本当に尊敬する。オランダを調べていても中々本質を読み取れずに、苦労していたのが、本好きを読んで感覚的にわかったように思う。国が成長するという事はそこに住む人も成長するということ。又、成長する為の土壌やタイミングが重なる歴史の必然を感じる。日本の幕末、明治を勉強してもそこで自分の与えられた(もしくは自分から望んで)役割を完遂する為に命懸けで努力した人々を沢山知った。これはただ歴史の真実を知る為の本からは中々読み解く事が難しい。物語を読む事で、その時の人々の心情や流れを想像できて初めて腑に落ちたのだと思う。とにかくこのタイミングでこの本を読めて良かった。
本好きの下剋上第五部「女神の化身Ⅻ」(5-12)
香月美夜
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