作品紹介・あらすじ
特別推薦生として協和大学の数学科にやってきた瞭司と熊沢、そして佐那。眩いばかりの数学的才能を持つ瞭司に惹きつけられるように三人は結びつき、共同研究で画期的な成果を上げる。しかし瞭司の過剰な才能は周囲の人間を巻き込み、関係性を修復不可能なほどに引き裂いてしまう。出会いから17年後、失意のなかで死んだ瞭司の研究ノートを手にした熊沢は、そこに未解決問題「コラッツ予想」の証明と思われる記述を発見する。贖罪...
感想・レビュー (1件)
著者のデビュー作。 数学さっぱりの自分でも、魂が震え十分に読ませる切なくも美しい人間ドラマ。 天才なるが故の孤独、凡人なるが故の嫉妬…人間の危うく脆い心の形他圧倒的な筆致力で揺さぶってくる。 「数覚」ある者が見える景色とはどんな素敵な世界なのか?
