作品紹介・あらすじ
無料で「こども飯」を提供する『大衆食堂かざま』。
店のオーナーの息子・心也は、怪我で大好きなサッカーができなくなり、中学最後の夏休みを前に晴れない気持ちを持て余している。
また心也は、時々こども飯を食べにくる同級生のことを気にしていた。
一人は夕花。クラスから疎外され、義父との折り合いも悪い。もう一人は金髪パーマの不良、石村。
友情と恋心、夏の逃避行。大人たちの深い想い。
〈子ども食堂〉から始まる...
感想・レビュー (5件)
「子どもめし」なんて言葉もなかった私の子ども時代。母子家庭で、昼も夜も働いていた母。土曜日のお昼は、いつも友人の家でごはんをごちそうになっていました。 あの頃の私は、卑屈になることもなく、 ただ「おいしいな」「ありがたいな」と感じていられた。 それは、友人の家族のあたたかな思いやりのおかげです。 そしてその感謝の気持ちは、大人になった今、より深くしみわたっています。 子どもにとって、「貧乏」はどうしようもない現実。でも、満たされた胃袋は、確かに血となり肉となり、そして心を育ててくれました。 あの頃、近隣の人たちは、貧しかった私たち家族にとても優しかった。 「ここは安心していい場所だよ」と、黙って示してくれていた。だから私は、世の中に拗ねたり、恨んだりせずにいられたのだと思います。 そして今、恥じることのない大人として、その恩に報いたい。いただいた優しさを、今度は私が次の誰かへ。ペイ・フォワードで、温かい記憶を届けていきたいと思います。
感動した👏🆗
