作品紹介・あらすじ
弁護士・村瀬快彦は傷害致死事件を起こした従兄弟の蓮見亮介の身元引受人となり、釈放後に二人は暮らし始める。小学6年生のときに母親が自殺し、それ以来、他人と深く関わるのを避けてきた快彦だったが、明るい亮介と交流することで人として成長していく。だが、ある日、母が結婚する前に父親の安彦に送った手紙を見つけ、自身の出生に関わる衝撃の秘密を知る。二人は全ての過去と罪を受け入れ、本当の友達になれるのかーー。著者...
感想・レビュー (3件)
はるひこは弁護士 人を殺し従兄弟の身元引受人になる 舞台は川越。神明町の自宅で同居 きょうすけの殺した相手ははるひこの生物学的な父だった
生物学的に「本当の親」とは誰なのか。育ててくれた人こそが本当の親なのか。 どちらが正解かなんて、世間の物差しで測る必要はないと思います。 大切なのは、「自分にとって親だと思える、かけがえのない存在かどうか」。 その人のことを思うと、慈しみの気持ちがあふれてきて、命がけで守りたいと思える。 喜ばせたい、悲しませたくない、甘えたい、慰められたい、笑い合いたい——。 そんな願いが自然と生まれてくる人こそ、本当の親だと思えるのです。 人生の彩りなど知らなかった、まっさらなキャンバスに、どんな色を重ねてもいいよと、 いいも悪いも受け止めてくれる、揺るぎない土台のような存在。 そんな絶対的な愛を教えてくれたその人こそが、私にとって「本当の親」だと心から思えるのです。