作品紹介・あらすじ
村娘狭也の幸せな日々に、影を落とすのは昔の記憶…「鬼」に追われた六歳の自分。十五になった祭の晩に、「鬼」はついに追いついた。『おまえは「闇」の氏族の巫女姫だ』と告げられて、憧れの「輝」の宮に救いを求める狭也。だが、宮の神殿で縛められて夢を見ていた「輝」の末子、稚羽矢との出会いが、狭也の運命を大きく変えていく…神々が地上を歩いていた古代の日本「豊葦原」、光と闇がせめぎあう戦乱の世を舞台に、「水の乙女...
感想・レビュー (1件)
いぶきのオッサンが退場したとき、深いいたわりの心、愛とは許すことであるということが感じられて胸が痛くなった。泣きそうになった。 みんながみんなの大切なもののために戦う。 生きること、死ぬこと、迷い悩みながら自分を見つけていく物語 「情とはなにか、考えればすぐにわかることだ。」「死ぬことを知らずに、真の恐れや、真の別れを、真の悲しみを心得ているはずがない。心と心のつながりや、気づかいや、いたわりを、理解できるはずがない。われわれはいつか死ぬ身であるからこそ、近くにいれば求めあい、遠くにあれば慕いあうのだ。そうではないか?」科戸王(しなどのおおきみ) 「あやまるって何をすることだ?」「取り返しの付かないことをしてしまったけど、この気持ちに免じて、罰せずに、怒りをといてほしいと頼むこと、すぎたことをしこりにせずに、忘れて欲しいと頼むことどうか許してほしいってこと」稚羽矢 「許してやりなさい。気の毒な娘の死に、そなたは傷ついただろうが、許しこそ、そなたの大きな力となるものなのだから。一足先に女神のもとへ休みに行くが」伊吹王(いぶきのおおきみ)
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