作品紹介・あらすじ
日本人が抱く喪失感はこれだったのだ!
弥勒丸引き揚げ話をめぐって船の調査を開始した、かつての恋人たち。謎の老人は五十余年の沈黙を破り、悲劇の真相を語り始めた。私たち日本人が戦後の平和と繁栄のうちに葬り去った真実が、次第に明るみに出る。美しく、物悲しい「シェエラザード」の調べとともに蘇る、戦後半世紀にわたる大叙事詩、最高潮へ。
ソフィアの丘
サザンクロス
帰郷
日ざかりの午後
夏の夜の再会
托...
感想・レビュー (2件)
奇蹟の船はたったひとりで闘い誇り高く死んだ。 われわれが平和と繁栄のうちに葬り去ったもの。弥勒丸は日本人の良心そのものだった。老人は50年余の沈黙を破り、悲劇の真相を語り始めた。 極限の愛と死を描く巨編、感動の結末へ! 面白かった。 ただロマンスはいらない。つまらない恋愛ネタは飛ばして読んだ。 あと最期の締めの章はつまらなかった。 もっといい締め方をして欲しかった。
豪華客船、弥勒丸はなぜ沈められたのか?下編