図書館の魔女 高い塔の童心

図書館の魔女 高い塔の童心

高田大介
講談社 (2025年2月19日発売)
ISBN:9784065386026
本棚登録:17

作品紹介・あらすじ

多様な都市国家の思惑が交差する海峡地域。その盟主、一ノ谷には「高い塔の魔法使い」と呼ばれる老人タイキがいた。歳のころ六、七である孫娘マツリカは、早くに両親をなくし祖父のもとに身を寄せている。 ある日、タイキを中心に密談が開かれた。海を隔てた潜在的敵国・ニザマとの海戦に備えてのものだった。一方、マツリカは好物の海老饅頭の味が落ちたことを疑問に思い、その理由を解き明かそうとする。 国家の大計と幼女の...

感想・レビュー (1件)

高田大介「図書館の魔女 高い塔の童心」読了。 図書館の魔女シリーズを読むたびに思う。 ああ、また読み終わってしまった... と。 正直読み終わりたくない。この世界にずっと浸っていたい。マツリカやハルカゼが何を思い、何を話すのか。読み終わると会えなくなってしまう。でも読まないと会えない。これぞ山嵐のジレンマ。 それぐらいに大好きな小説がこの図書館の魔女シリーズで、その最新刊がこの「高い塔の童心」である。 童心と書いてある通り、マツリカが高い塔に来たばかりのまだ幼い頃の話であり、つまり高い塔の中心は先代タイキが居座っている時のお話である。 シリーズの読者には言うまでもないが、タイキと言えば、起こらなかった第三次同盟市戦争の立役者。今作で書かれている「起こらなかったことに捧げられる詩行はない」。この言葉にハッとさせられた。いつも歴史に残されるのは起こったこと。起こらなかったのであれば歴史には刻まれない。なぜ起こらなかったのかについては気にするものはいない。だって戦争は起きなかったのだから。唸った。そんな視点があるとは。そしてのちに語られるタイキの怒りを知ったときの苦しさ。たまらない。胸が締め付けられる。言葉が柔らかいだけに尚のこと。 そして今作は、マツリカとハルカゼの出会いの話でもある。まだハルカゼが手話を少ししか理解できずマツリカの言いたいことがわからずもどかしい思いをしているハルカゼ。まだ笑い上戸にもなっていないハルカゼ。いつなるのだろうか。まだ図書館に遣わされたばかりだから心を開いてないのだね。でもそんな2人の最後のシーン。自然と顔が緩んでしまう.... ああ!!まだまだもっと読みたい!! 霆ける塔が待ち遠しい!! あとキリンとの出会いも知りたい!! お願いします!!