作品紹介・あらすじ
感想・レビュー (1件)
小泉八雲「怪談」読了 小泉八雲は高校生ぐらいの時に国語の授業で習い、外国人だけど日本に帰化した人で怪談が好きな人ぐらいの記憶。今回、朝の連続テレビ小説でこの小泉八雲とその奥さんでセツを題材にした「ばけばけ」が始まるということでどれどれと観てみると、いやはやこのドラマがなんとも面白い。でもそもそも小泉八雲の本を読んだことないなと思い、ちょうどカバーデザインが大好きなヒグチユウコさんのデザインのものが発売された時でもあったので、そんなに期待もせずに読み始めてみた...のだが、読み始めてすぐに後悔した。 なぜこれほどまでに素晴らしい本をこれまで読んでこなかったのか。 昔から妖怪やおどろおどろしいものが好きなのに、なぜかこれまで小泉八雲には手を出していなかった。なぜ読まなかったのだろうか。思うに、怪談って耳なし芳一とか雪女とかだろ、昔話でよく知ってるやつだから外人さんが書いた昔話を敢えて読む必要ないか、という感じだったのかもしれない。 この大馬鹿者が。めちゃめちゃ面白いじゃないか。もちろん原文では英語なのだろうが、翻訳者の方の実力もあってか、こんなにも素晴らしい筆致で描かれているとは。これまで読まなかったことが悔やまれる。でも悔やみ切ってはいない。なぜならちゃんと読むことが出来たからだ。 ということで、 特に印象的だった作品の感想をを抜粋で。 「耳なし芳一」 ほんの十数ページなのだが2時間の映画を見たような気分。特に「開門!」の部分がかっこいいと思ったのだが、この部分がヘルンのアレンジだということも知った。すごい。 「おしどり」 たった3ページ。たった3ページで心底ゾッとしたし、泣いた。まじか。 「轆轤首」 これ、アクション大作になりそうなできだぞ。そして轆轤首は飛頭蛮だったのか。ふむ、なるほどなるほど。 「ある女の日記」 泣いてしまった。ある女の生涯にもだが、最後に書かれた小泉八雲の見解に泣かされた。なんという感じ方をできる人なのだ。すごいなこの人。 「蚊」「平家蟹」「蛍」 この人の視点は本当に素晴らしい。日本人がなぜそういう考え方や思想になったのか、それらを差別なくその土地の風俗、思想、宗教など尊重した上で理解を示している。 「夢想」 まさに自分が考えてることと一緒のこと。それがこんなにも美しい表現で描かれている。すごい。おれにもこんな文才があったらな。 「病理的なるもの」 書き出しの「猫が大好きである」というところで世の猫好きを味方に付けかと思われるが、最後まで読むと泣かされる。
